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それでも世界が続くなら 『響かない部屋』


それでも世界が続くなら「響かない部屋」 - YouTube

 

 

「銃声のない国に生まれただけで幸せなことだから感謝しなさい」

なんて台詞を今まで何度聞いたことがあるだろう。

 

いじめを受けている人間にとって、そうではなくても弱者として扱われてしまう人間にとって、高校までの教室という閉鎖的な空間は戦場であり、しかも自分は相手に放てる弾の一つすら持っていない市民のようなものである。

一方的に攻撃を受けて、反撃することもせずに、頭を抱えてうずくまるしかない。

自分は弱い人間だから、少数派の人間だから仕方がないと無理矢理諦める。

 

本当は、本人の苦しみと客観的な苦しみは別次元で考えるべき問題なのに、「銃声がないから日本は平和だ」なんて無神経な言葉を、苦しみの渦中にいる人に悪気なくかけてしまう人が沢山いる。

 

苦しんでいるときにそんな言葉を浴びせられた経験のある人にとって、まさに今がそうである人にとって、「それでも世界が続くなら」の提示する音楽が、ライブが、音源が、言葉が、MVが、作品は、どれほど大きな救いとなるのだろうか。

 

私はここまでのいじめこそは受けなかったが、思春期のときにこのバンドに出会えていたら、といつも思う。

自分自身の苦しみを他の誰かの苦しみと比較して語ることは本当に正しいのだろうか(当然逆にも言える)。

 

そんな疑念を心の奥底に埋めて言葉にすることができないでいる全ての人に、この音楽が知られて届くことを願って。

 

 

 

この作品に関わった全ての人へ、本当に、ありがとうございます。