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2014/12/19 それでも世界が続くなら結成3周年記念公演「僕らの小規模な2日間の反撃」 1日目 @下北沢Club Que

 

 

初めて来たハコなんですがスタッフさんが丁寧でお優しいですね...あたたかい対応ありがたい...

中に入ると、フロアの壁際に楽器や機材が置かれていて、その周りを半円状に囲む形でお客さんたちが立っていた。

ステージも開放されていたけど、私はフロアに立っていた。

 

フロアの照明が落ちて、楽器や機材を並べられているところだけがオレンジ色に明るくなって、静かにメンバーが出てきて持ち場に。

ギターを手にするやいなや、じゃーん、と一音目。その一音目だけで全身にばーっと急速に鳥肌が立った。

飛び跳ねて、ギターを振り回して、暴れまわる篠塚さんと、その姿を楽しそうににこにこ見ながらシンバルを鳴らす栗原さん。この時点ですっごくどきどきした!

生で見た篠塚さんの姿は、今まで見たことのあるどんなバンドマンよりもあまりにも無防備で衝撃的だった。アディダスのジャージのような上下と、足下はサンダル。メイクなんかは勿論していないし、髪の毛は無造作で、長い前髪で目を覆っているからしばらく目が見えなかった。

 

肝心のライブは音源から想像していたものとは全然違っていて、痛々しさが剥き出し状態の轟音。ミドルテンポの曲やバラードばかりだったはずなのに刃物で全身をめった刺しにされるよう攻撃性があって、聴いているだけで痛かった。

 

PAなし直アンプの轟音で同じ床に立っていたからか、感電したみたいに直接身体に音が流れ込んできて全身がびりびりした。

足は釘で打たれたみたいに動かせなくなったし、脳内ではギターのノイズがアルコールみたいに回って、音だけで身体のいたるところに鳥肌が立った。

フロアの壁沿いに中心だけに一色だけ明かりが灯されて、MCもなく、をれを半円状に囲んでただただ固唾を呑んで見守るようなライブで、泣いている人もいて、ある意味とても厳かだったし、葬式のようでもあった。

 

アンコールで出てきたときに初めてMCがあって、「これが俺たちの全部なんです」と。

普通ならアンコールの曲も用意してライブするものなんだろうけど、俺たちは本編にもアンコール分全部含めるつもりでやってるから、なんもやる曲ないんですよね、って、明日の分の曲やっていい?って笑ってて。

 

「すごく好きなバンドがいたんです。もう解散しちゃって、自分が今ライブしてるからかもしれないけど、思い出せない。お前らもそうやって俺たちの音楽をいつか忘れるんだよ、絶対。でも、虚しくなんかないんだよ。虚しくないんだよ。だって、バンドなんかにお熱になるより自分自身の人生が幸せで、そんなもの忘れてしまえるくらいになった方がいいに決まってるじゃん・・・でも、俺たちなんかの音楽をこうやって聴きに来てくれるお前らが、人でも音楽でも何か一つ、見つけられたらいいなって思ってます」

みたいな話をしてて、えーんって泣いた笑。

やりたいことが何もなくて、生きたいとも思えなくて、この4年間いろんなバンドにお熱になるような生き方しかしてこなかった私なので、すごくその言葉の重さがわかったし、優しさもわかったし、泣くしかなかった笑。

その後の、2月11日もすごくすごく良かったし。

 

これまで音楽というものは芸術や娯楽やエンターテイメントの一種だと思っていたけれど、音楽は音楽でしかなくてそれ以上でも以下でも、それ以外のものでもないと初めて思った。

フロアライブも、それせかのライブも初めてだったけど、そこにはただただ生身の人間と楽器と音楽があるだけで、そんな当たり前のようなことがとても価値のあることだと思った。

ライブに対する価値観が変わった。

 

大袈裟なんだけど、こんなライブを見ることができて、こんなバンドを見ることが出来て本当に、今日まで生きてて良かったなあって。

 

そんなこんなで二日目に続きます...