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音楽は耳を塞ぐための手段

 

個人的な話。

シューゲイザーに準ずる音楽やバンドが好きだけど、

音のうるさい空間は昔からとても嫌いだった。人が多いところとか。祭とか。

 

人の声とか、物音とか、聞きたくない音があまりにも多すぎるし、

音楽が流れている空間も大体は好きではない。

多分、「音楽」を好きなわけではない。

 

ああいう、耳が壊れるかと思うくらいの音を出すバンドのライブが好きなのは、

周りの雑音を全て塞いでくれるから。

轟音には隙がないから、轟音の中はとても静かで居心地が良い。

いっそ耳が聞こえなくなってしまえばいいのに、と思うことすらある。

 

そういえば、高校生くらいの頃は、家に聞きたくない音が多すぎて、

RadioheadのKid Aを毎日のように大音量で聴きながら夜を過ごしていたっけ。

 

音楽というものを主体的に聴き始めたのは、

好きな音楽だけが、私の耳を塞いで、雑音から守ってくれたから。

 

もし耳が聞こえなくなって好きな音楽が聴けなくなってしまったら、

というのは沢山の人たちが考えてきたことだろう。

私もすごく何度も考えたし、その度に恐ろしいと思っていた。

でも今になって、私は耳が完全に聞こえなくなったら幸せになれるのかもしれない、とも思う。勿論そんなことは望んでいないけど。

 

外には嫌な音が多すぎて、たまにウォークマンを忘れると泣きそうになってしまう。

音楽があるから生きている、なんてことは言えない。

NO MUSIC NO LIFEとかそういうのはとてもじゃないけど。

でも、耳を塞ぐ手段がなければ、私は本当に気が狂っていたかもしれない、と、昔を思い出す度に必ず思う。

 

 

私は音楽を愛していないから、これからもそうやって利用し続けるんだろうな、と