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それでも世界が続くなら「僕は透明になりたかった」

 

 

「うるさい、だまれ、死ね」 叫ぶ自分の声で目が覚めた。

驚いた。すぐになかったことにしようとして、でもなかったことにはできなくて、ヘッドホンを着けて大音量でこのアルバムを流した。

 

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それでも世界が続くなら「晴れた日の教室」 - YouTube

 

誰にでも、殺したい人間が一人や二人いて当然なのかもしれません。

それでも、多くの人はその感情を表に出すことはしません。

「何があっても人を殺してはならない」という徹底した道徳教育が、しっかり息づいているためでしょうか。

そんな感情を抱いてしまう自分のことを一番殺したいからかもしれません。

外に出せずに、自分の中に積もり積もってしまった黒くどろどろしたもの。

それが臨界点に達しそうになるとき、代わりに殺してくれる音楽があります。

「それでも世界が続くなら」という長い名前のバンド。

 

メンバーさんが実質的な1stのような作品だと言う「僕は透明になりたかった」は、今まで出た作品でもっともその力が強い一枚です。

強い薬には副作用があります。

復讐心や殺意やどろどろとした黒いものを原動力に生まれたこのアルバムは、きっと沢山の人を傷つけてしまいます。

だから、私にとって一番大切な一枚でも、人にすすめることはできません。

 

殺したい人がいて、そんな自分をゆるせないから必死で抑え込もうとして、それすらもうまくできない自分を殺したくなってしまう

そんな人にだけ、そっと。

 

 

ずっと大切にします。

弱くて何もできない私の代わりに、殺してくれてありがとう。